【特集】マンション目の前に「ペット焼却施設」止める術はなし?

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7/25(水) 13:38配信

MBSニュース

大阪・堺市のマンションのエントランスのすぐ横に去年8月、「ペット焼却炉設置計画地」と書かれた看板が立てられました。ペットの焼却施設とは、飼っている犬や猫が死んだときその死骸を焼やす場所、人間でいうところの「火葬場」です。事前の説明もないまま突如持ちあがったこの計画に、周辺住民は困惑しています。

マンション前に建った「ペット焼却炉設置計画地」の看板

大阪・堺市随一の高級住宅地、上野芝。この街で今、ペット焼却炉の設置をめぐって住民たちが憤懣を抱えています。

「幹線道路沿いに建つマンション。非常に大きくて立派なマンションなんですけれども...エントランスのすぐ横に目をやりますと、このように『ペット焼却炉設置計画地』と書かれた看板が建てられています」(記者リポート)

マンションのすぐ目の前にペット焼却炉が設置されると予告する看板。去年8月に突然現れたそうで、住民たちは戸惑いを隠せません。

「ただびっくりした。なあ...なんでこんなんって思って。なあ、嫌やなあ」(マンションの住民)
Q.いつごろ建てられた?
「1年...経つか経たないか。住んでいる間の臭いの問題であったりとか、煙の問題であったりとか、そういったこともありますし。みんなやっぱり資産価値であるとか、そういったところもすごく不安になった」(マンションの住民)

突如持ち上がったペット焼却炉の計画。しかし、住民たちに対して事前の説明は一切なく、今もどんな施設が建つのかまったくわかりません。こうした背景にあるのが、日本のペット事情です。

日本で飼育されている犬と猫の数は推計で1844万頭。これは15歳未満の人口よりも多い数字で、10世帯に1世帯が犬か猫を飼っている計算です。「ペットは家族の一員」と捉える傾向が強まっていて、ペットが死んだ際、人間と同じように葬りたいと考える人も増えています。このため、ペットの火葬施設や霊園などのニーズが高まっているのです。

周辺住民理解得られた「ペット葬儀場」

大阪・天王寺区にある「柳谷観音大阪別院泰聖寺」。ペットの葬儀や納骨、さらには100か日の法要なども執り行っています。施設を案内してもらいました。

「火葬場とお別れ室と...いわゆる葬儀ホールです」(柳谷観音大阪別院泰聖寺 純空壮宏住職・41歳)

このお寺では、7年前にペットの火葬事業を始めました。当初は月に10件ほどだった火葬の依頼が、現在は月に90件ほどに増えたといいます。この日、愛犬の火葬に訪れていた女性。前の日、飼っていた犬が老衰で死にました。火葬を前に住職がお経を読み上げ、人間さながらの葬儀が執り行われます。

「このあと、少しお時間をお取りしますので、感謝の言葉『ありがとうね』ってしっかり言って、送ってあげてください」(純空壮宏住職)

愛犬と過ごす最後の時間。感謝の気持ちを伝えます。自ら愛犬を抱きかかえ、焼却炉へと運ぶ女性。15年間、一緒に暮らした愛犬に花を手向け、最後のお別れです。

「閉じます」(火葬業者)
「人間と一緒やね」(女性)

1時間後...火葬が終わると箸で収骨します。火葬の料金は小型犬で2万円?3万円が相場で、住職による読経がセットになっています。

「ここやったらちゃんとお祈りもしてくれるでしょ。だからここにしようかなって。ちゃんとしてもらった方がいいですよ、本当にね」(女性)

この寺では事前に檀家や周辺の住民に説明会を開き、理解を得た上で焼却炉を設置しました。さらに近隣への配慮から、午前9時から午後5時までと稼働時間を決めています。

不動産会社「法的には何の問題もありません」

一方、住民への説明がないままの堺市のペット焼却炉設置計画。一体だれが計画したものなのでしょうか。マンション近隣の土地を調べてみました。

設置予定の土地は約30平方メートル。この半分ほどは昔水路だった土地で、現在所有者はいません。一方、残りは堺市内のある不動産会社が所有していてます。ペット焼却炉の設置はこの不動産会社が計画しているものだったのです。そこでこの不動産会社に取材したところ、次のような回答がありました。

「ペット焼却炉、作るつもりですよ。儲かりますからね。今、業者を募集しているところです。法的には何の問題もありませんし、何かあるなら直接言いに来たらいいじゃないですか」(不動産会社)

「法的に何ら問題はない」と強調する不動産会社。「事前に住民に説明する必要もない」と語ります。

ペットの火葬や埋葬について規制する法律なし

果たして、本当に何も問題はないのか。堺市に聞いてみました。

Q.マンションの目の前のあの土地に、ペット焼却炉を作ることは可能?
「現状は規制するものはないという状況。これを差し止めするとか規制をするとか取り払うとか、そういったところは制度として堺市には条例もございません。国の法令もございませんので、それはできないんですね」(堺市健康福祉局 藤川桂祐参事)

実はペットの火葬や埋葬について規制する法律はありません。それぞれの地方自治体が独自に定める条例に委ねられているのが現状です。しかし、堺市にはペットの焼却施設や埋葬施設について規制する条例がないため、たとえマンションの目の前であっても、止める術がないのです。

「なかなか難しい背景があって、不安なまま過ごしているというのが現状」(マンション住民)

規制がないとはいえ、ペットの亡骸を葬るための施設の計画に、住民たちの不安は募るばかりです。

MBSニュース

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このページは、petsougi-newsが2018年7月26日 07:54に書いたブログ記事です。

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